
ヴェニスは、細い路地と運河が複雑に入り交じり、街ごと迷路のようなところです。ひとつとしてまっすぐ、同じ幅の道がないのではないかと思うくらい。建物の壁に道や広場の名前が書いてありますが、地図を片手に歩いていても、あらゆる角度に道が進むので、容易に方向感覚がなくなるところが、また魅力です。

建物と建物の間が迫っていると、目印となる建物も遠くに見つけにくいので、地図だけが頼りです。
石畳で、かつ運河にかかっている橋は階段状になっているため、足腰が弱った高齢者はもとより、重いスーツケースを運ぶのも容易ではありません。
あちこちの橋の階段でスーツケースを運ぶのに苦労している観光客を見かけました。
それ故、水上交通が主で、水上バス、水上タクシーだけでなく、警察も救急も、船。
ごみも、ご覧のように、ワゴンで運んだものをカートごとクレーンで吊り上げて、収集していました。
観光名物となっているゴンドラは、橋の下を通り、細い運河の中をゆっくり進んでいきます。高さ制限2.2mといった看板も見かけましたが、水位が高くなる時分には、それ以下でもきついのではないかと思います。
観光が一大産業のヴェニスですが、歩いていると楽しいのは、観光客相手のお店に混じって、素敵なお店や生活の場が、路地の至る所で見られることです。
観光客相手のお店でも、ハンドメイドの素敵なところが揃っています。
お店の一角が工房となっているところもあり、ひとつひとつ丁寧につくられた過程を想像しながら、選ぶのが楽しみでもあります。特にイタリアは紙もの、革ものの種類と美しさが抜群。日常使うノートを革表紙の巻きものにするなど、上質のものに替えるだけで、仕事の際の気分が違います。メールが増えて手紙を書く機会も、めっきり少なくなりましたが、イニシャル入りの便せんと封筒のセットなど、ヴェニスならではのものを購入してきました。
このお店では、ヴェニスの建物の木版画のカードを。
洗濯物を人目につくところに干さない国が多いヨーロッパで、建物から建物に渡るロープに堂々と干された風景。
不思議とアートのように見えて仕方がありません。
同じ事を思う人が多いのか、写真撮影している観光客は、真剣にレンズを絞り、近寄っていました。
地元の人が朝コーヒーを飲みにきていたここは、瓶詰めのペーストやパスタなど、パッケージがきれいな食材が売られていました。
夜はバーになるため、カウンター奥にはお酒が豊富です。
雰囲気がよくておいしいお店はなんとなく人を呼ぶ何かがあるようで、嗅覚が刺激されます。ここも朝からワイン片手に総菜系のつまみを一皿から頼めるお店で、地元のおじさんたちがおいしそうに食べて飲んでいました。
ワインのおつまみには、生ハムとチーズが合います。
お酒にパン、ハム、チーズと飲むための一揃えが売られたお店で、天気がよければ、購入して外で飲んでいたかもしれませんが、3日目もあいにくの雨。帰りの飛行機を待つ間、ヴェニスのマルコポーロ空港でその無念をはらしました。
日曜日祝日はお店がお休みのドイツと異なり、人出の多い稼ぎどき、ほとんどのお店が開いていて、そぞろ歩きが格段と楽しいものになりました。
細い路地から出てサン・マルコ広場につくと、水浸しで、寺院見学の人たちは、すのこの上です。巣からでてきた蟻のように、細い路地裏に散っていた人たちがいっぺんに集まった感じを受けました。
地図を片手に、もしくは地図を見ずに思うに任せての探索は、ひと味違った観光となり、3日間を満喫できました。
便箋と封筒のセット、すてきなんでしょうね。私も瀬戸内でお世話になった島の方にお礼の手紙を書く予定です。どこかですてきな葉書をもとめてみます。
miwaさん 合わせてイニシャルのろうそくで封印するセットも購入しました。お礼の手紙、メールが主流になっている今だからこそ、心に響きますね。選ばれた葉書や便せんにもその心遣いが表れます。すてきな葉書が見つかると嬉しいですね。yukos