高校生のインターン 1/28

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今、事務所には高校生のインターンが2人きています。
一人は、所長クリストフの甥っ子でその名もクリストフ。所員でもある、所長の妹アネモネの息子です。もう一人は、私たちの事務所の一角で同じ机を並べている所長夫人レギーナのデザイン事務所にきています。
いずれも3週間の就労体験です。
先月も2人きていましたが、彼らは9月からの大学に入る前に、その専攻する内容に合わせて実地で学び、意識を高めて入学にのぞむという、高校の教育カリキュラムの中の一環としてきています。





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3週間の体験中のプログラムは事務所側で用意したもので、A2サイズの1:100の住居の手描きの設計図、それをもとに模型作成、マイクロステーションを使った図面作成、パワーポイントでの3週間の体験のプレゼンテーション作成などです。
大学院生のインターンは、即戦力として所員と肩を並べて作業をしていますが、設計事務所に入ってどういった仕事をするのかを知る、まさに"体験学習"です。
高校生のうちに、大学院卒業後を見据えた意識向上を狙うというのは、就職活動時期に初めて人生設計をする学生も多い日本と比べると大きな違いですね。
設計部門の新人研修で行うかのような内容を既に高校生で体験している彼ら。
デザイン事務所にきている彼女とは、毎日一緒に昼食をとっていますが、インターンの後にバスケットの部活に向かい、飼っているかわいい猫の写真を見せてくれるキュートな高校生です。しかし、「グラフィックデザイナーと建築家、いろいろ選択肢があるけど、少し働いてみてどちらに興味がわいた?」と聴いてみると、「建築家」と即答。ある建物のアイデアコンペの手伝いが面白かったのと、建築の仕事はグラフィックデザインの仕事も包括していて範囲が広いことなどを理由に挙げてくれました。
漠然と受け身に教わるのと、自ら思う目的に向かって習得していくのとでは、差が出ます。

実は、ドイツでは、小学校卒業後の進路が3つのタイプの学校に分かれていて、大げさにいうと、その段階で子どもの人生が決まってしまうようなしくみになっています。
小学校4年生の段階で、少なからず職業に対してのビジョンを持たされるのです。
日本でも"お受験"、"中学受験"を始め進学に対しての悩みは親にもついてくるものですが、ドイツでも同様、進路が決まる小学校4年生の前期まで保護者会もピリピリした空気が流れるとか。
高校生のインターンは、大学に入る前に意識向上を図ると同時に、その選択に間違いがなかったかを確認する体験でもあるような気がしてなりません。
「自分の思っていた世界と違う」といって異なる分野に転職をするという事態がままある日本の会社事情を考えたときに、思わずうなってしまいました。

*今日の写真は、ホフガルテンでサッカーをする少年たちと、旧市街の大道芸人を見る市民たち。2週間ほど前の日曜日に撮影した写真です。

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