
バルセロナの最終日、長い休暇も今日でおしまいですが、飛行機の時間は19時15分。たっぷり観光する時間がありました。
最後に訪れたのは、モデルニスモ建築の代表作と呼ばれるガウディ以上の名声を博したといわれるドメネク・イ・モンタネールの作品とガウディのグエル公園で、まさにバルセロナのクライマックスでした。

ホテルからほど近いゴシック地区にあるモンタネールのカタルニャ音楽堂は、人数に制限のある30分毎に開かれるカタルニャ語か英語の見学ツアーに参加してのみ、内部に入ることができます。9時半から開いているチケットセンターで11時の英語のツアーのチケットを購入しました。
内部での撮影は禁じられているので、外部からロビーを撮影。現在もコンサートホールとして使われています。
最初にビデオを見た後、ホワイエ、色鮮やかなステンドグラス、花柄を多用し、黄色の豪華絢爛なステンドグラスやシャンデリア、ベートーベンの像などモチーフで飾られた大ホールなどをじっくり50分ほどで見学しました。途中、パイプオルガンの自動演奏も大ホールで聴く事ができます。モンタネールの美の追求に圧倒されました。
チケットを購入してから見学まで1時間ほど時間があったので、音楽堂から近く、18歳のピカソが足繁く通ったという、カフェの「4匹の猫」4CATSクアトラ・ガッツでブランチをとりました。
その名も4CATS。4種類の、トーストの上にテリーヌや生ハムなど具が載ったメニューです。
1897年に創業し、モデルニスモ運動の中心となったカフェレストランですが、その後閉店し、1981年に当時の内装を復元して再オープンしたそうです。
10分前に音楽堂に戻り、11時になっても声がかからないし、廻りはスペイン語を話す人ばかり。やはり混み合っているから英語のツアーに参加するのかと思っていたら、ようやくきたガイドの案内はスペイン語。近くにいた人が私のチケットをみて、彼女のチケットを確かめたのをみて、もしやと、腕時計ではなく携帯を見たら、11時半ジャスト。腕時計が途中で止まり、スペイン語のガイドに紛れたのでした。
飛行機の時間の前に腕時計が止まったのを発覚できて幸いでした。
カタルニャ駅から地下鉄3号線に乗り、グエル公園へ向かいました。徒歩20分の距離にある最寄り駅の一つレセップス駅前の広場も人々が暖かい陽だまりの中でくつろいでいました。
大通りを、公園正面入り口から一番近い道の2本手前、地図でわかりやすい公園を曲がって坂を上って行くと、エスカレーターがありました。
正面ではない入り口から公園に入っていくと、パームやしの茂る道で、陽気なラテンジャズをが聞こえてきました。

もともとグエル公園は、ガウディ建築詣ででたびたび登場した実業家のグエルがバルセロナ市街を見下ろせる山の手に60戸の宅地を造成し、イギリス風の田園都市を造ろうと構想したところです。しかし、資金面の問題などから工事が中断し、公園となりました。
冒頭写真の中央広場に続く正面にある大階段です。
階段中腹にあるタイル張りの大とかげは、ミニチュアが各地でお土産として売られています。
その前の記念撮影待ちの人が列をなしていました。
階段上、中央広場下のドーリス式の列柱廊は、住民の市場として造られたものだそうですが、今でも1間ほどの布の上にお土産を並べた露天商や楽器演奏をする芸人たちの格好の場となっていました。
公園自体の入場は無料ですが、有料で見学できる施設がいくつかあります。
ひとつが、正門脇にある門衛館。
他のガウディ建築同様、彼の作品の解説の映像やパネルが展示されています。
この施設で展示されていた1917年のバルセロナの地図と記念的な建築物の写真は、入場時にもらったリーフレットにも大きく掲載されているのですが、中心部の街区構成がドーナッツを並べたようになっています。
これは面白いなと思い、次に訪れた"ガウディの家博物館"のミュージアムショップで探したら、案の定ポストカードがありました。
"ガウディの家博物館"は、予定していた60戸のうち完成した住宅2戸の一つで、ガウディが住居として使用していたところです。
ガウディの遺品が展示されています。
その後は、「ギリシア劇場」と名付けられた中央広場のベンチで、前日の夜に教会前の生産者直売の市で購入したプディングケーキを食べながら、ギタートリオの弾く演奏を聴いて、のんびりと時間を過ごしました。
人体の断面から形が決められたというタイル張りのベンチは長居するのにも心地がよく、存分に太陽を浴びました。
便利なホテルのロビーにあるコインロッカーから重みと嵩の増えた荷物を取り出し、空港バスで空港へ。
荷物をカウンターに預け、発つ前の最後の夕食は、ふんだんに使われているイベリコ豚のハムがはさまったサンドイッチとスパークリングワインのCava.
長い休暇の締めくくりにはぴったりでした。
(ちなみに写真に映っている荷物は、隣のテーブルの人のものです。)
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