ドイツの薬局 APOTHEKEのマーク 2/11

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ドイツの「薬局」は、日本の"マツモトキヨシ"のような、コンビニに近いdmやROSSMANNといったチェーンの薬局と、医師の処方箋をもとに抗生物質入りの特殊薬なども出してくれる薬剤師がいる"APOTHEKEアポーケ"の2種類あります。
APOTHEKEに必ず掲げているのが、赤いアルファベットAの上の杯に絡まり、舐めるように見える蛇のついたマークです。
病院や診療所が多い場所の周辺には、この赤いAを見ることができます。
私の家のすぐ近くにも道路をはさんで2軒、隣の交差点の角にも2軒並んであります。
薬品に近い基礎化粧品なども扱っており、チェーンの「薬店」よりも、「薬局」らしい雰囲気のところが多いように思います。


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いろいろな名前はついていても、例外なく赤いAのマーク。
デンマークやオランダに行くと、緑色のマークにかわります。
スペルや発音が少しずつ異なりますが、ほぼ同じなのです。
デンマーク語ではApotekアポテーク
オランダ語でもApotheekアポテーク
さらにセルビア語ではApotekaアポテカ



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似た言語だからだと思っていましたが、ヨーロッパの国の薬局で見るこの蛇と杯はきっと意味があるに違いないと調べてみました。
蛇は、ギリシャ神話の12神の一人、アスクレピオスが持っている杖に絡まっています。脱皮することなどから、「再生」の意味があるとか。彼は、アポロンの息子で、母の不貞などの諸事情から、山奥で半人半馬のケイロンに育てられ、薬学を学び、「医術の神」と呼ばれています。病気を治すだけではなく、最後は死者まで蘇生させたがために、生死を操ることが冥界の王の怒りにふれ、最高神ゼウスの雷にうたれて、死んでしまったそうです。
杯は、アスクレピオスの娘であるヒギエイアが、聖蛇に餌をやるときに器として用いていたものだそうです。




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そして、薬局の蛇と杯は、実はヨーロッパだけでなく、トルコやイラン、エジプトなどアラブ圏から、タイなどアジア圏でも使われていることが分かりました。
そして、「WHO世界保健機関」のマークの真ん中にも、杖に絡まった蛇が描かれています。
家の近くのギリシャ料理のお店に張られていたポスターには、ギリシャ起源の言葉が多く紹介されていたのですが、身近にあるものがこれも!とあれも!と驚きました。
遠く場所が離れ、宗教や話す言葉が異なっていても共通するマーク。
なんだか"つながり"があるようで、嬉しくなりますね。

コメント(2)

「生死を操ることが冥界の王の怒りにふれ、最高神ゼウスの雷にうたれて、死んでしまった」というところが示唆的ですね。自戒の意味も込めてこのマークが使われてるのかなあ。アジア圏での使用は植民地時代の名残でしょうね。

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