
Kunstakademieクンストアカデミー(デュッセルドルフ美術大学)で、毎年この時期に行われる学生たちの展覧会、Rundgangに行ってきました。今年は9日から13日まで、平日が9時から20時、土日が10時から20時で、今日が最終日でした。
入り口前からの長蛇の列に並び、中に入りました。

廊下も教室も天井の高い重厚な建物で、各教授の名前が書かれた教室ごとに、学生の作品が飾られています。
そして、廊下にも立体、平面ともに作品が飾られています。
床や壁、暖房までがキャンバスとなっている作品もいくつかありました。
天井の高い空間を活かした作品。
一体何メートルの脚立を使ったのでしょうか。
平面の作品は、油絵、水彩画、スケッチ等、大小さまざまでも、立体ほどは場所をとりません。しかし、立体の作品は、どの壁面を使うかなど、広くて高いとはいえ、場所とりが大変だったのではないかと気になります。
ナム・ジュン・パイクが教鞭をとっていたこともあり、ビデオインスターレーションもいくつかありましたが、最上階のトップライトのある特別な部屋は、白い箱の上にあるスピーカーから流れるサウンドスケープが作品でした。
10人ほどの日本人の名前も様々な分野でありました。
ボールペンで金魚や鳥などを細かく描写するKondo Masakazuくん。10日に行った展覧会のオープニングパーティーで初めて会って話を聴き、写真を見せてもらっていましたが、本当にそこに羽があるかのような、実に根気のいる作業だろうと思われる緻密な絵でした。
飾っていたのは、このオウムのボールペン画と立体の作品でした。
本人も毎日教室に滞在していて、ボールペン画を写真に撮ったものが、売れに売れているようでした。
自分の人生を先取りし、トロフィーと功績を石碑に書いたような作品のArakawa Soyaくん。
帰りがけに、偶然あった画家のHさんと歩いていたら、すれ違い紹介してもらいました。
26日にたこやきパーティーをするメンバーの一人で、そのときに話を聴くのが楽しみです。
ビール瓶が山となっている部屋から、ソファーに座って編み物をしている部屋まで、各教室では、学生たちが交代で番をしていました。作品を購入することもできるので、その商談をする学生もいました。
Kunstakademieは、よく通っているコンサートホールのTonhalleが近く、旧市街の端にあり、周辺には飲食店も多くあります。最上階にあるテラスからは、ライン川やテレビ塔がよく見えます。
長い廊下と、階高があるためこれまた長い階段を使い、4層に亘って、隈なく歩いたので、喉も乾き、お腹もすきました。
3階と4階にそれぞれ1ヶ所ずつ、作品を飾りながら、ワッフルを焼いている教室と、コーヒーをいれてくれる部屋がありました。値段は、1ユーロずつ。
このワッフル、目の前の大きな鍋でねたをつくり焼いてくれるので、あつあつでおいしく、2回食べてしまいました。
偶然会った画家の原田正有さん。
私の住む家から歩いて5分ほどのところに構える、広ーいアトリエ兼住宅でパーティーをするというので、お邪魔しました。
彼の描いた絵が飾られたいくつもの部屋のうち、ギター部屋で、ギターの先生もしているという2人が、フリージャズや、フラメンコ、ボサノバと幅広く好きな音楽をギターでセッションしてくれました。
音をいくら出しても大丈夫な環境。そして広い空間。
実に羨ましくなる環境です。
Kunstakademieの学生たちも然り。
卒業してからが大変とは、原田氏の弁ですが、多くの卵に期待して、大勢の人が観に来ていたRundgang、去年よりも今年のほうが良かったとの評判でした。
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