
日々、ドイツの新聞、ニュース、アメリカのCNNで地震と原発事故の展開について見守っています。
地震の惨状から自国内の原発のあり方にシフトしていた報道が、今日は、ドイツ、アメリカとも東京や成田空港の映像を一斉に流しています。
Tokio in Angst 不安の中の東京
このマスク姿の女性の写真は、新聞スタンドに並んだ今日の他の新聞でも1面に取り上げられています。
おそらく、日本でもドイツやアメリカのメディアが、日本政府、東電の対応について不信感を募らせていることは報道されていると思いますが、報道のあり方や反応に国民気質の違いを感じます。

事務所のメンバーは一様に、報道を見て、日本人がこれほどの惨事になっているのにパニックにならずに平静を保っていることに驚きます。特に、避難所ですべての家財がなくなってしまったのに、女性が静かに、笑顔さえ見せて話すことが信じられないと、文化の違いを挙げます。自分たちが同じような状況になったらずっと泣き通しているだろうと。
ハイチの地震、アメリカのハリケーン被害の後に略奪等が絶えなかったのと比べて、秩序が保たれていることが信じられないともいいます。
各国のメディアがなぜそれが可能なのかなどと賞賛して取り上げていますが、誇らしいことですね。
しかし、泣き通している人、パニックになっている人がいないでしょうか?
私たちは、選ばれた映像や報道で得た情報に基づいて事態を判断していることに気がつかないといけないと考えさせられます。
CNN、ドイツの番組とも専門家が登場していろいろとコメントしますが、それぞれに思惑があることも鑑みて聴いています。
当初からCNNは、日本政府が正確な情報を流していないことを強調し、駐米大使が番組に登場した際には、大使が反論する場面もありました。
今日は、終始"Japan Radiation Extremely High"
ー日本の放射能レベルは非常に高いー
とのタイトルのもとに、キャスター、特派員が、いつにも増して早口に、かつ緊迫感を漂わせた口調にかわっていることに気がつきます。
そして、多くの外国人が避難するために出国していると。
信じられない、危機的、といった形容詞も多用している感がぬぐえません。
昨日、放射能レベルは、1年あたりの平均許容レベルの160倍にあたる400mSvであると、CTスキャン3、X線0.1と比べて説明をしました。
しかし、今日の段階では、取材を申し込んだが、日本は放射能レベルを知らせないとの特派員の不満を流し、数値については、一切報道しません。
日本政府は退避範囲を12マイル(20km)としているが、アメリカ政府は50マイル(80km)を在日米国民に流しているとも。
ヒラリー・クリントンは、インタビューで、煽動した質問をするキャスターに対して、「とても心配している。しかし、アメリカ政府は在日米国民にまだ日本を出国せよとは一切言っていない」と言っています。
ゼロエミッション政策で、原発を誘導していきたいフランスやアメリカの首脳の思惑、より視聴者の関心を惹きたいメディア、、、
報道が人々に与える影響は非常に大きいことを、痛感します。
しかし、チェーンメールや出処が曖昧な情報について、いたずらに不安に煽られることなく精査していかないとと、諭した友人たちの反応をみて、私は誇りに思っています。
しかし、安全に越したことはないことも同時に感じます。
実際のところ、事実に基づいて東京は安全なのか、そうではないのかと結論づける人はいないのです。
不安に遭遇した際の捉え方にも差があります。
ー成田空港で「被爆を心配して避難するのか」とインタビューを受けたフランス人の言葉
「避難することができるのに、留まるのは愚かだと思ったので離れるだけだ」
ー日本人と結婚し、日本の両親に出国を勧めるけれども、「しょうがない」と出国をためらう義理の両親を気遣うドイツ人同僚の言葉
「東京の人は正確な情報を伝えられていないからか、出国することができる幸運を選ばないだけか」
錯綜する情報を精査することは、ともすると難しいですね。
被災地の方々の笑いながらのインタビューというのは、理解不能な事態に陥った人のものであって、被災の経験のない人が映像だけからみてとれる「笑いながら。。。」ってのはだいぶ短絡的な解釈だと思う。
今の東京に居たら、「日本人、冷静だね」なんて全然思わないし。
冷静でいろ!とも思わないけど。
身近に親族を津波で失った方もいるので、ごめん。本当にこのblogの記事はちょっとキツイです。(このblogを見る可能性のあるかたです)
そして出国について。
生活も仕事もあるので、そしてこの悲惨な状況が終わった後の
未来を考えたいので、みなそんなに簡単には離れないのだと思う。
(妻子のみを関西に移動させている人は結構いますよ)
ごめんね。批判的なコメントで。
気を悪くしたら、削除してください。
たとえ被害は少なくても、東京も経験したことのないパニックに
教われています。
本日は東日本大停電の恐れがあるため、皆一斉に帰宅命令です。
駅では恐ろしい人の波が我先にと押し寄せてきています。
明日、明後日のというよりも来週の今頃のことを考えることも
みな、出来ないよ。
仕事にも大きな支障をきたしはじめています。
当初からある締め切りと、この極限状態の生活とで
皆、おかしくなってしまいそう。
すみません。教われている→襲われている。
マスクは花粉症予防の方が多いと思いますね。
最近は一年中マスクをしている女性も多いですね。
素顔を出さずにいると気持ちが落ち着くという何とか症候群?みたいです。
映像情報は写し手の思いで如何様にもバイアスが掛けられるので危険な面を孕んでいると思います。
今はradikoというwebで日本のラジオを聞くことが出来ます。
http://radiko.jp/
被災地以外で聞くと、サーバー能力の問題で被災地の方が接続し難くなるので余り聞かないように言われていますが。
被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げるとともに、犠牲になられた方々へのご冥福、併せてご遺族の皆様には、深くお悔やみを申し上げます。
yucotさん 異なる立場、おかれた状況により、一方的に流れてくる情報が及ぼす影響は大きく、それ故に報道のあり方について考えさせられます。映像とともに選ぶ言葉にしても然りです。テレビや新聞のみならず、インターネットを駆使すればするほど集まる莫大な情報。しかし、それが事実の一部でしかないことを痛感するだけに、東京にいる両親、家族とともに、被災地にいる友人たちのことを考えたとき、言いようのない不安の中で、どう錯綜する情報と向き合っていくべきか、私自身にも向けた課題です。仕事の締め切りが近いと聴いています。心身ともに休まらない状態が続いていると思いますが、ご自愛ください。yukos
石器ぃさん 一般の人がマスクをつける習慣がない欧米諸国では、この多くのマスク姿はインパクトがあるでしょうね。おっしゃる通り、映像に限らず報道側の思惑で情報がコントロールされることを鑑みてのぞまないといけないと痛感します。yukos