
3月初めにあったカーニバルの後から、街中を彩る飾り付けとして見られるようになったものが、うさぎと卵。これは、イースター:復活祭のためのものです。
日本では、キリスト教のイベントとしてクリスマスが定着しているように感じますが、実は、最も重要な行事は、イエス・キリストの復活を意味するイースターなのだそうです。
毎年日付が変わる移動祝祭日で、「春分の日の後の最初の満月の月の日曜日」、今年は4月24日です。前後が休みとなり、ドイツでも、22日(金)がKarfreitag、25日(月)がOstermontagで4連休のイースター休暇となります。

英語では、Easter
ドイツ語ではOstern
ゲルマン神話の春の女神「Eostreエオストレ」の名前、ゲルマン人の用いた春の月名「Eostremonat エオストレモナト」が由来とする説が有力のよう。
本来は、異教徒の春の祭りだったけれども、キリスト教布教の際に、意味を変えて普及したそうです。
「寒さ厳しく暗い冬から、草木が芽吹き、動物たちが繁殖する春へと移り変わる様が十字架で処刑された後に復活したとされるイエス・キリストのイメージに重なり統合された」というくだりを読むと、まさにドイツの厳しい冬を経験し、今の季節に感じる明るい気持ちと重なり、理解できます。
飾られているうさぎや卵の意味は、
卵:生命や復活を象徴する
うさぎ:子だくさんで、古代より繁栄や多産のシンボル
家族でゆで卵を食べたり、家族や友人など親しい人と卵やうさぎの形のチョコレートや、中にプレゼントの入ったチョコレートの卵を交換しあう風習があるために、チョコレート屋やスーパーなどの店頭に多種類のうさぎや卵のチョコレートが並べられているのです。
また、カラフルな紙や布、絵の具などで卵をペイントして家に飾ったり、子どものいる家庭では庭に卵を隠して探す"エッグハント"を行うために、卵にペイントするためのシールや染料、ペンなどがスーパーには売られています。
その他、アメリカのホワイトハウスで毎年行われる、丘の上から卵を転がすegg rollや、卵をスプーンの上にのせて落として割らないように早さを競うエッグレースなど、イースターに関連するイベントは多々あるようです。
イースターリリーと呼ばれる、白いゆりがあるのですが、純潔のシンボルとして聖母マリアを象徴する花として宗教画にも多く描かれ教会でも飾られているため、ヨーロッパの花というイメージが強いですよね。しかし、沖縄のテッポウユリが、欧米にもたらされたのだそうです。
ドイツでは、白いゆりを人に贈るのは弔いの花として好まれないと、先週ドイツ人の友人に教わったばかりですが、以前より白いゆりは、我が家で飾る定番です。
*これは、今週飾っている花。日本では4月から5月にかけて咲くライラック(薄い紫)も店頭に出てきました。
「純潔」の白い百合同様、ライラックにも、「友情・思い出」とともに「純潔」の花言葉があるそうです。
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