
誰もが車で行くというところを、電車を使って行ってきました。
場所は、Mechernich市のWachendorf ヴァヘンドルフ。
地図で見ると、デュッセルドルフからケルンまでの距離をちょうど2倍した位のところにあります。

当初予定した電車は、インターネットで調べて
12:40 デュッセルドルフ中央駅からRE
13:12 ケルン中央駅着
13:21発の Eifel Express RE12083で
13:57 Euskirchen駅着
14:03発の voreifel-bahn RB11724で
14:20に礼拝堂から一番近いと思われる駅のIverheim着
そこから歩いて15:00頃に着くはず。
ところが、12:40発の電車が運行中止との案内が出て、いきなり始めから予定変更。次に出るICE(日本の新幹線)に乗れば、ケルンで予定している電車に乗れると思ったものの、このICEも5分遅れと出たため、乗り換え時間が間に合わないことが分かり、次の快速電車で向かいました。ケルン発の快速は30分毎に出ていますが、Euskirchenから出る電車が土曜日は1時間に1本。しかし、これもまた15分遅れで発車し、無人駅のIverheim駅には15時35分に到着しました。
Mechennich市のホームページを見ると、サマータイム時には、毎日10時から17時まで礼拝堂を訪れることができると書かれていたので、駅から3kmの道のりを歩いて行けば、1時間かかったとしても何とか間に合う時間です。
この礼拝堂までの公共交通機関を使用しての行き方は、Mechernich駅から1時間に1本の809番のタクシーバスを30分前までに電話予約して行くというもので、土曜日は13時12分発が最終です。日曜日は運行していません。万が一乗ることが出来ない場合には、到底歩ける距離ではなく、普通のタクシーも待っているか分からない状態だったので、歩ける距離の駅Wachendorfを選んだのですが、正解でした。
ホーム端の踏切に直交する道路がWachendorfまで3kmと書かれたK44で、広大な牧草地帯を通ります。
Wachendorf村に近づいてくると、礼拝堂を点で見つけることができ、気分がはやってきました。(写真の地平線、中央より少し左に見えます。)
「Wachendorfへようこそ」と書かれた看板が見えて、そこからIverdheimstr.通りをBruter Klaus Kapelleの駐車場の看板を頼りにまっすぐ歩いていきました。
駐車場の看板の前にあるRißdorfer Wegに入り、10分ほどひたすら丘を上っていくと、礼拝堂が見えてきました。
この礼拝堂は、牧草地主が話を持ちかけてから1〜2年後ほどに、忘れられたのかと思いきや、ピーター・ズントーの母が信仰し,Bruter klausとして知られている聖ニコラウスを祀るためのものであったために、1枚のスケッチが送られてきて、地主とその奥さん、そして、友人・知人、職人たちとで建てたそうです。
コンクリートの型枠として使用された112本の木の幹をテントのように組み立て、3週間くすぶり燃やしたという中の壁は、その形状を見る事ができます。直径5cmほどのガラス球が埋め込まれていて、星のように外の光を集めて光っています。
上部は天空に開かれており、雨天時には、雨が入り込んでくるため、床に水で濡れている部分がありました。
幹状にえぐられたコンクリートの壁をつたって降りてくる光は、神聖な気持ちになる優しい光です。
平面は滴のような形をしていますが、3m四方ほどの広さで、ベンチとろうそくをしまう台、ろうそく台、そして、彫像だけの、ピーター・ズントーらしいとても簡素なつくりです。
壁が斜めに傾いているため、雨が降ったときにも、水は壁をつたり、このろうそく台やベンチ等は濡れないのかもしれません。上空から入ってくる光とシンプルな空間は、祈りを捧げるのにふさわしい場所であると感じました。
三角形の扉は、上下に動かすドアノブで、ドア内側にある丸環が、床にある戸当たりにはまって開け閉めできるようになっていました。
床は鉛を溶かしこんだもので、岩肌のような表情を見せています。
一般開放されている17時近く、16時45分になった頃に、村からどんどん人が上って来て、その内の一人の男性は、ジャケットの上に、司祭服を着用しました。
少しずつ中の礼拝堂に入って祈り、外に出て司祭と言葉を交わして、また家に帰って行くようでした。
こうやって村の人の拠り処となっているのだなと思いながら、礼拝堂を後にしました。
丘から村の中心部への帰り道に、乗馬して上る女の子とすれ違いました。
ほかの曜日は30分毎にある電車も、「ausser SA土曜日以外」と書かれたものばかりで、土曜日は1時間に1本。かつ18時35分が戻るための電車としては最終です。
ホームの切符の自動販売機は「しばらくお待ちください」の表示のまま。
この電車が、行きのように運行中止になってしまうと、タクシーも走っていないし、帰りの手段に困るため、どきどきしながらホームで電車を待ちましたが、5分遅れで到着。
Euskirchenとケルン中央駅の乗り換えでは、それぞれの遅れを小走りで吸収して、予定通りに帰ってくることができました。
電車は予定通りには動かないので、時間がかかりましたが、車窓からの風景は、あちこちに満開の山桜が新緑の合間に見え、観光としても楽しめました。
乗り甲斐、歩き甲斐、そして行き甲斐のある建物巡礼でした。
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